十人十恋-じゅうにんとこい-

―プロム当日―

「似合ってるわ、美月ちゃん」

「あ、ありがとうございます」

アタシの借りたドレスは“リボンドレス”てゆー奴だった。

胸の辺りに大きいリボンがくっついていて、Aワンピースで、リボンが散りばめられていて…すっごく可愛いの☆

レンタルだけど。

んで、ナチュラルメイクにして、頭に大きいリボンをつけて…

前髪をリボンのヘアクリップでとめてもらった♪

部屋に全身鏡があるから、見に行ったら、いつもと違う自分が居て、ビックリした…

き、キンチョーするなぁ~…

「さて、美月ちゃん、行こうか」

「はい」

「いってらっしゃい、美月」

「あ、ありがとうございます」

アタシとヤンのお姉ちゃんは外に出て、車で隣の街のホールへ向かった。

ちょっと、恥ずかしいな…

早く、ヤン、着かないかな~?

「…女の子を待たせたりしないよ」

ボソッ。

「ひ、ひやあ!ち、っちょと、耳元で囁かないでよ!バカ!」

後ろから囁かれてビックリしたけど、後ろを見たら、フォーマルでカッコイイ、ヤンを見て、もっとビックリした。

「ヤン、久しぶり~♪」

ヤンのお姉さんは台湾語でヤンに声をかけた。

二分ぐらい話して、アタシとヤンはプロムの会場に入ろうとしたら…

「ちょっと、君達、アルコールと荷物検査するよ」

とゆわれたので、おまわりさんに色々聞かれたり、犬に臭いを嗅がされたりした…

は、はぁ…

おまわりさんから開放された、アタシ達はやっと会場の中に入った。

もう、プロム始まる前から疲れちゃったよぉ…

今、七時五十七分、かぁ…。




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