十人十恋-じゅうにんとこい-


「へぇ~…美月の友達が作った、トリュフ美味かったなぁ~。チョーヤバイ。マジヤバ。やば過ぎて、平らげちまったぜ。」

「私も冷蔵庫にあった、最後の“一日限定、モルさんシャーベット”、あれも美味しかったわよ~。何か、名前書いてあったけど、下手糞すぎて読めなかったから、自己処理しちゃったわよ~」

………

……







「「ハァ?信じられない!人のもの食ってんじゃねーよ!(食ってんじゃないわよ!)」」


…とまぁ、こんなカンジでいつも、妹と喧嘩している。

妹欲しいって言う奴の気がしれん。

コイツが男だったら、殴ってたトコロだ。

俺は西路晴彦(ニシロ・ハルヒコ)

近くの偏差値の低い高校に行ってる。

妹は西路瑛子(ニシロ・エイコ)

外面はクールで知的なカンジの中学生だが、つまみ食いするし、下着姿で動き回るし。

良いとこなんて見当たらねー。メスブ●だし。

今のところ、現在進行中で喧嘩している。

「みっちゃんから聞いたんだけど、アンタの初恋って、男だったらしいわねぇ」

「ギクッ?!」

「みっちゃんの友達の、なんだっけ?黒山宏一って言う人いるじゃん?その人がスキだったんでしょ?」

いや、当時、アイツ、女にしか見えなかったし…。

「って言うか、美月は森海(しんかい)小だっただろ?!何で、そんなコト知ってるんだよ?!」

「話しかえるなバカヒコ!」

「す、スキだったわけねーじゃん!!あんな、女みたいな男!つーか、俺はノンケだ!男なんか興味ない!」

「ふーん」

妹の怪しい目線が怖い…
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