十人十恋-じゅうにんとこい-
道を歩いていると、色んな制服の同じ年頃の女の子や野朗どもを見る。
あの空森高の女の子、可愛いなぁ…。
つーか、出るところは出てたな。あの子。
しかも、清楚系なカンジで黒髪ロングのストレート…
空森高にあんな可愛くてエロイ子が居たのか。
俺も受験がんばればよかったな。
歩いてると、俺が通ってる高校、“星夜高校(せいやこうこう)”に着いた。
「おはよー、晴彦!」
「んあー…」
「ぐっもーにん!ハルハル」
「あぁ、ぐーてんもるげん」
何か挨拶するのもめんどくさかったので、何故かドイツ語で返した。
「ねぇ、ハルハル、転校生来るの知ってる?」
「え?知らねーけど。女だったら良いな」
「ハルハルって女好きね~」
「まぁ。な」
実は女はあんまり好きじゃない。
年上の落ち着いている女が好きだ。
ボインだともっと…いや、なんでもない。
女があんまり好きじゃない理由は、玲と美月と瑛子のせいだろうな。
女って感情的で論理的じゃねーし。
学校のチャイムが鳴った。
携帯の時計を見ると八時二十分になっていた。
チャイムの音と同時に、担任のセンコーが教室に入ってきた。
「出席を取りますね」
センコーは出席を取っている。
生徒は次々と返事をしている。
出席を取り終えると、紙を見ていた。
その紙は多分、今日の予定を生徒に教えるものであろう。