INCOMPLETE A PICTURE BOOK
「なんでもない。行こうか、雛型先生」
「お前はだれと来てるんだ?」
潤は緒方を指差す。
「俺は緒方だ」
「噛んだ」
「噛んでも雛型にはならない」
「まぁいいじゃないか」
「よくねぇ!」
まるでさっききいた空の言葉を無かったことのようにふるまう2人。
そうすることでしか、自分を正当化できなかった。
隠し事はいけないなんて約束はないけれど、2人にのしかかるのは、
隠し事をしているという罪悪感。