INCOMPLETE A PICTURE BOOK
[〉2人の願い
分かってた。
こんなことはどうしようもないことくらい。
でも、自分ではどうしようもなくなってしまった。
「う「人は!」
潤、と呼び掛けようとした緒方の声を潤の大きな声がさえぎる。
「人は無くなってから大事なものに気が付くの」
潤もそうだった。
両親がいることはあたりまえだと思っていた。
でも、いなくなるとそれが全然当たり前じゃないことに気が付いた。
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