INCOMPLETE A PICTURE BOOK



もう壁を作り必要もないし、隠す必要も無くなっている。


でも壁を無くせないのは、自分が臆病だから。


友達を作ることを恐いんだ。



「何でこんな時間にここにいるの?」



ほかの人から考えたらこんな時間にここにいるのは確かにおかしい。



「帰るのめんどくさいから」


「ふぅーん、」


聞いたくせにあんまり興味はなさそう。



なら聞くなよ。



「あ、あたし、菊地まどかっていうの。多分潤ちゃん知らないだろうから」


ばれてたみたいだ。


だからどうということはないけれど。



「暇ならあたし、バスケ部のマネージャーしてるから見に来てね」


そういって彼女、まどかは出ていった。



――バスケ部、ねぇー、




そのときはあまり興味無かった。



ぶっちゃけ、何言ってんだって思った。



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