INCOMPLETE A PICTURE BOOK
まわりから見たらあたしは最低だと思う。
自分からは友達なんて作ろうとしないし、目的がなくなってからのあたしは学校をたまにさぼるようにもなっていた。
「――…帰ろう」
まどかの存在によって時間を邪魔され、なにかが切れたあたしはこの場にいたくなくなった。
だから、カバンを持って教室から出た。
玄関で内履きを入れてローファーを履く。
もう慣れた一連の動作。
きっと無意識でもできる。
そのあとのあたしは気が狂ったとしか言えなかった。
まどかの言動があたしの頭をよぎり、自然に足が体育館の方にむいていた。
「……馬鹿みたい」
いまさら青春なんて求めても無駄なのに、
何も求めない覚悟でここにきたのに。
あたしは迷った。
「潤ちゃん?」
あたしの名前を不思議そうに呟いた、まどかの声。