INCOMPLETE A PICTURE BOOK
追い掛ける資格なんてないくせに悲しそうな顔をしたまどかを追い掛けようとしている自分がいて笑えた。
――馬鹿みたい
おいかけようとして前に出した手を握り、引っ込めた。
この手は、汚れてる。
翌日、まどかは潤に声をかけては来なかった。
謝りたい。
自分が悪かった事は一目瞭然で、悪い事をしたら謝らなければいけないことくらいわかっていた。
でもなにが潤をそうさせるのかわからないが、どうしても謝りに行けなかった。
あれからあたしは変わらずに放課後は教室にいた。
もしかしたらまどかがくるかもしれないと思って。
でも来なかった。
自分は動こうとしないのに、相手が動いてくれるのを待っていた。
そんなの一歩も前に進まないのに。