INCOMPLETE A PICTURE BOOK
一瞬冷たい空気が潤の足元から上がってきた。
が、すぐに異変に気が付く。
――暗い
とても暗いのだ。
小さいはずの冷蔵庫の壁が見えない。
「入るぞ、ついてこい」
………………、
「先生も来んの?」
「?当たり前だろ」
当たり前だろって言われても。
あきれた顔をしていれば先生は勝手に入っていってしまった。
人なんか入ったらはみ出るに決まってる。
だが、あの巨大な先生ははみ出るどころか、きれいすっぱり消えてしまった。
取り残された感がいきなり襲ってきて、潤は目をつぶって、冷蔵庫に飛び込んだ。