INCOMPLETE A PICTURE BOOK




お隣さんかよ。




緒方は罪悪感と戦いながらお風呂上がりの濡れた髪を大雑把に拭いた。



「……悪いな」




届かないし、聞こえないのに、緒方は呟いた。




それは空気にのまれて消え去った。




もちろん潤には届かない。



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