HIMAWARI
ふと廊下に目を向けると和希が機嫌悪そうな顔で立っていた。
私の視線に気付くと手招きをしてくる。
私は小走りで和希のもとへ向かった。
「和希?何か用でもあるの?」
「あぁ。ケー番とアド交換しねぇ?」
和希の言葉に私はただただ嬉しかった。
「うん!しよしよっ!!」
すると和希は微笑み、ケータイを差し出してきた。
その笑顔が妙に色っぽくて心臓がうるさく動く。
「よし。完了っと!」
「ありがとユリア。またメールとかするわ」
和希のアド・・まだ夢みたいだ。
「うんっ。私からもするね!」
最後に手を振りあって和希は自分の教室に帰って行った。
そしてもうその頃には地獄は終わっていた。