HIMAWARI
「うん。ってか、もうすぐHR(ホームルーム)だよ」
「じゃあそろそろ席いくね~」
そう言って紅葉はだるそうに自分の席へと帰っていった。
それから私は口角が上がりっぱなしだった。
1人でニヤニヤしていたので変態と思われたに違いない。
そうして私の知らないうちに刻一刻と時間は過ぎていき・・・
気がつけばもう下校の時間だった。
「あ・・・あれぇっ?もう下校っ?」
私があたふたというと紅葉がため息をついた。
「も~。ユリアどうしたの?今日ずっとボーっとしてたよ。頭いっちゃた?」
そんな紅葉のイヤミも今の私には通用しなかった。
その時・・・
「ユリアーッ!一緒に帰らねぇ?」
教室のドアに手をかけ、手を振っているのは・・・
「かっ・・・和希!?」
そう。和希だった。
私は驚きのあまり口をパクパクさせる。
「で・・・でも、今日は紅葉と」
『帰る約束があるから』
私がそう言おうとすると紅葉が黙って背中を押した。