HIMAWARI

「行ってきなっ」


私の耳元でそう言うと紅葉は笑顔で手を振った。

本当に紅葉には感謝してもしきれない。


「あ・・りがとう！！」


そう言い、和希の所へ走る。

「友達、いいのか？」


不安そうに言う和希がすごく可愛く見えた。


「うん、大丈夫。・・・行こっ？」

「お・・・おぅ」


歩きはじめる私と和希。

校舎を出ると私達は下校中の生徒の注目の的となった。


「今日、歩いて帰らね？」

「へ？」


てっきりバスで帰ると思い、乗り込もうとしていた私に和希が言う。

「そ・・そうだねっ」


そう言って和希の横に私は並んだ。


それが恋人同士のようでちょっぴり胸がくすぐったくなる。