HIMAWARI



髪は右肩にたれるようにしばり


白地にピンクの花が描かれている浴衣を着て赤い帯を締める。



「よしっ。そろそろ行く?」

「そうだねぇ~行こっか」


待ち合わせ時間が近付いてきたので私達は出発した。



カラン コロン カラン コロン


下駄が鳴らす独特な音が心地よいリズムで響く。


周りは同じく浴衣を着た人ばかりで

みんなワクワクした表情で祭りの会場を目指していた。


「はぁー。いよいよだねぇ!」


私と違ってウキウキ顔の紅葉は声を弾ませて言った。


「うん・・・そうだ・・ね」


正直言ってあまり行きたくない私は沈んだ声で言った。
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