HIMAWARI



隣にいる紅葉を見ると既に瞳がキラキラしていた。


それじゃあ一目ぼれ丸出しじゃん・・・


そう思いながら私は呆れて紅葉を見つめた。



気付けば紅葉は雪人君とアドレスを交換していた。

それをじぃっと見ていた私に雪人君が気付く。


ツカツカと私に歩み寄ってくる雪人君。


「ユリアちゃんもアド交換しよ」

「え・・じゃあ、うん。てかユリアでいいよ~」


そうして半ば強制的にアドレス交換させられた私。


紅葉の視線と、なぜか和希の視線も痛かった。


「じゃ、ユリアって呼ぶわ。俺の事も雪人でいいよ」

「わかった・・」


アドレス交換が終わり、祭り会場へ足を進める。

と、その時


誰かのゴツゴツした手が私の手をひっぱた。


「わりぃ。コイツ借りてく」


少し低めの声がして私をズルズルとひっぱっていく。


「おぅ。わかった」
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