HIMAWARI
第五章 揺れる気持ち
周りにはカップルの山。
その中で立ち尽くす私達。
あれから30分ほどたったが、互いに喋らない。
「場所・・変えよっか」
この空気に耐えられなくなったのか和希が喋りかけてくる。
私は小さくうなずくと和希と共に歩き始めた。
カラン コロン カラン コロン
微妙な距離で歩く私達の間には下駄の音だけ。
何となく2人とも喋らない。
「ねぇねぇ!そこのキミ」
誰かに肩をたたかれ、振り向く。
・・・が、そこには見知らぬ男が立っていた。
金髪でピアスジャラつけ&派手な格好の男は完璧チャラ男。
「あの・・何か?」
戸惑いながらも声をかけてみる。
「おっ、可愛いねぇ。俺と遊ばない?君1人っしょ」