HIMAWARI
恐怖で震える唇。にじむ視界。
頭がぐらっとして体が傾いた。
そんな私の体を支えた誰かの温かい手。
誰・・・?
次の瞬間、体がふわっと軽くなった。
そう・・・お姫様だっこみたいに。
これは、夢・・・だよね?
そんな疑問を最後に、私はゆっくりとまぶたを閉じた。
パチッ
目を開けると、紅葉の顔がどアップで前にある。
「ユ・・・ユリアが起きたよぉっ~。うぇぇぇん。よ・・・よがったぁぁ!!」
なんだか勝手に泣き叫んでいる紅葉。
「ど・・どしたの?私、大丈夫だよ?」
「うっ・・でっ、でも心配したんだからねぇっ!!・・・ひっく」
涙声で言う紅葉がすごく可愛く思える。
「うん。・・・みんな、ありがと」