HIMAWARI
しょんぼりとする紅葉。思わず抱きしめたくなるほど可愛かった。
茶色のふわふわした髪。大きなくりくりの瞳。色白の肌。
まるで人形のようだ。
「いいよ。可愛いから許すっ」
私が笑って言うと紅葉も笑顔になった。
「ありがと~ユリア大好きーっ!」
抱きついてくる紅葉。私もギュッと抱きしめ返した。
ひとしきり抱き合ったところで紅葉が急にあの話をしはじめた。
「もうそろそろ、来るんじゃない?」
疲れた様子で言う紅葉。
それもそのはず。もうすぐ地獄がやってくるのだ。
「3・・2・・1」
ガラガラガラーッ!
教師とのドアが勢いよく開く。と同時に男の大群が入ってきた。