恋愛詩人
―――ある日。

その晃に、呼び出された。

そして、その晃の様子が可笑しい。

何故か妙に、私から目を背けたり、目が合ったら顔を真っ赤にしたり。

「晃?どうし…ンッ!」

――口付けを、された。

そして晃は、直ぐにそっぽを向く。

その顔は、とても赤くなっていた。

私も、戸惑いを隠せずにボーッと、晃を見ているだけ。

―――そんな感じで、暫く沈黙が続いたのだが…。

「…俺、フィアンセとかそう言うの関係無しにお前の事好きだ。…付き合ってくんねーか?」

晃が口を開き、ちらりと私に目を向けて、頬を赤く染めたまま私に言った。

…告白……。

それで気がついた。

私は、何だかんだ言っても晃の事が好きなのだと。

ただ、友人だと思い込んでいただけ。

ただ、友人でいたいと思い込んでいただけ。

―――裏切られるのが、怖かったから。
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