恋愛詩人
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さて…。

メールを送信したは良いが、彼女は家にいるのだろうか?

僕は電柱などに隠れながら、少しずつ彼女の家へと近づいていった。

…今は夜。しかも、この道通りは元々そんなに車や人は通らない。

だからこそ厄介なのは警察だ。

こう言う人気の無い場所に見回りにやってくるであろう番犬。

見つかったら殺せば良いだけだが、それでは後日見回りが強化されて、面倒な事になる。

…僕も、相当な罪人だな。

かつての愛人を、殺しに行くなんて。


――そう考えている内に、彼女の家に着いた。

懐かしい…。

半年前は、良く訪ねに来たものだ。

…インターホンを鳴らしたら、警戒されるだろう。

だからいつものように、はしごを使って、二階の窓から忍び込む。

家の中も、益々懐かしい…。

…だが、今は感傷に浸っている場合ではない。

僕は足音を立てずに、一階へ下りる。

そして見つけたのは―――

彼女の姿。
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