年上彼氏

『ケンジ。紹介せんか』


コロッケを受け取りながら、ちょっと照れたように私の肩を叩いた


『リコだよ。今、付き合ってる…』


『初めてまして。リコです…えへへ』


『学生さん?だろ?』


『高校3年ですっ』

ポカーンと口を開けたオジサンは…そのまま魚を焼き始めた。


『魚も私達の?』

『うん。ここに来たら、黙ってても俺が食べたいの出してくれる』


魚を返しながら煙の中から

『で。どんな記念日なんだ?』


ケンジが私の顔を見た。


どんなって…。


ケンジさんが答えてくれた

『大切な記念日だよ』
< 195 / 278 >

この作品をシェア

pagetop