年上彼氏
起こすからっていったのに

はっと気付いたら車は走りだしてた。


『あちゃ…ごめん』


『起きたか。』


時計はもうお昼。


二時間も寝てたの私。そう言えば最近眠れない夜が続いてた。



彼と入ったカフェに、ちょうど唐津さんも入ってきた


私を見て、驚いた顔をして。


『あれ?なんでリコちゃん?』


座るなり、彼は直ぐに切り出した。


『唐津、黙ってて悪い。俺たち付き合ってる。さやかとは別れたんだ。』


唐津さん、口が開いたまま。


私をじーっとみて、はっとして。


『あ!じゃあ…さやかさんに電話番号聞かれたのは…』


『いいの。それはいいの。唐津さん』


長い長い沈黙。


聞こえるのはまわりの食器の音だけ。
< 218 / 278 >

この作品をシェア

pagetop