年上彼氏

ケンジ…安心したのか、気が抜けた感じで。


『ケンジ…うちくる?』


『いや、お母さん留守の時狙ってるみたいだから…やめとく。隠れ家いこう』



おじさんの店に行くことにした。


彼の後ろをついて入って、おじさんに、口止めの仕草をしてウイングした。



『また帰ったのかケンジ。暇だな』



『オヤジさん、座敷貸して。疲れちゃった。休ませて』


『ああ。いいよ〜。リコちゃん、なんか食べる?こっちおいで』


彼は奥の座敷にゴロンと転がった。


カウンターに座ったわたしに、珍しくコーヒー入れてくれた。


『うわ。コーヒーあるんだ』


『何でもあるぞ。ばかにすんな。…りこちゃん、なんかあったのか?』


『うん…大変だった。私ねさやかさんと話した』


おじさんは ウンウンと頷きながら私の頭を撫でてくれた。


『そっか。一山越えたか。次の山が来ても、乗り越えなきゃな』


私は頷きながらコーヒー飲んだ。


『おじさん、私もあっちで転がっていい?』


『いいよ。後で起こしてやる』
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