年上彼氏
検査の間…この子の鼓動が伝わってきて、なんとなく、こっちまでドキドキしてしまった。
『リコちゃんって可愛い名前だね』
その瞬間、真っ赤な顔になって。
参ったな…。
『検査…終わりね。出ようか』
一通り説明して…
『一時間で出来上がるよ。後で取りにくる?』
彼女は頬を染めたまま、
『ここで待っててもいいですか?』
待合室のソファーにかけた彼女は、一時間、雑誌をみながら待っていた。
時々俺と目があった。
『おい、ケンジ、あの子。お前に惚れてるな』
冷やかされて。
ま。メガネを渡せば…もうあうこともないし。
なんだか落ち着かない一時間が経って、メガネをフィッティングする。
違う奴に変わろうと思ったけど、何となく俺が担当してしまった。