年上彼氏
サングラスを取ったら、ますますガキだ。


高校球児みたいな顔しやがって。

こいつにサングラスをフィッティングしてる間、横に立って眺めているリコちゃんに話かけた。


『メガネ、使ってる?コンタクトと併用しないとダメだよ。視力変わったんじゃない?今度検査してあげるよ』


気のせいか…ふと頬が赤く染まった。


なんだか嬉しかった。

俺に、彼氏になってって言った時の気持ち、なくなってないのかな。なんて。


『俺も視力検査してほしい〜』


『デート中だろ。また今度おいで。リコちゃんは出来たらコンタクト外して来てね』


こくっと頷いたリコちゃんが…1人で来るといいな、なんて思いながら、店を出る二人の背中を見送った。

手もつながないのか。


なんて。
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