魂、いただきます
「納得していただけたようでしたら、契約に入りましょう。さあ、これに拇印を押してください。そう、そこと、ここ、はい、ありがとうございます。これで契約完了です。では、ただいまから、契約は効力を発しました。あなたは三つまで願いがかなえられます。三つともかなった時点であなたの魂をいただきに参ります。ただし、24時間以内に三つの願いを言わなかった場合は、24時間をもって、残りの願いを放棄したものとして、魂をいただきに参ります。では、またお会いしましょう」

 たたみかけるように悪魔は言うと、宮乃の拇印を押した羊皮紙の契約書を上着の内へしまい、ぽんっと音を立てて消えてしまった。

 後には、呆然としている宮乃が取り残された。

「ちょっと待ってよ!タイムリミットがあるなんて言わなかったじゃない。こんなの詐欺よ!ちょっとぉっ!」
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