魂、いただきます
校舎裏の二人
終業の鐘が遅い午後の校舎に鳴り響き、その日の授業が終った。
最後が担任の授業だったので、そのまま帰りのHRを簡単に済ませて、起立、礼、終わり。
何事もなく一日の半分以上が過ぎた。
そう、何事もなく……
宮乃は溜め息を軽くついて、席を立ち、ざわめく教室をあとにした。
昨日と何も変わらない一日が過ぎていく。右肩に掛けたバッグの重さが妙に現実的だった。
ちらりと左手首を見る。傷の跡はない。
でも、切った感覚は残っている。
嫌な感覚だ。
その感覚を感じる度に、あの悪魔を思い出す。
こんなにリアルに感じるということは、やはり、本当のことだったのだろうか?
それにしては、今日は何事もなく過ぎていっている。
最初の願いであるサトシへの事故はまだ起こっていない。
ただ、大事故にあって痛い目に会えばいいと言うのでは、あまりにも漠然としすぎていて駄目なのだろうか?
やはりもっと具体的に言ったほうがいいのかな。
ぼんやりとそんなことを考えながら、古い校舎の裏沿いを部室棟へ歩き出した。
最後が担任の授業だったので、そのまま帰りのHRを簡単に済ませて、起立、礼、終わり。
何事もなく一日の半分以上が過ぎた。
そう、何事もなく……
宮乃は溜め息を軽くついて、席を立ち、ざわめく教室をあとにした。
昨日と何も変わらない一日が過ぎていく。右肩に掛けたバッグの重さが妙に現実的だった。
ちらりと左手首を見る。傷の跡はない。
でも、切った感覚は残っている。
嫌な感覚だ。
その感覚を感じる度に、あの悪魔を思い出す。
こんなにリアルに感じるということは、やはり、本当のことだったのだろうか?
それにしては、今日は何事もなく過ぎていっている。
最初の願いであるサトシへの事故はまだ起こっていない。
ただ、大事故にあって痛い目に会えばいいと言うのでは、あまりにも漠然としすぎていて駄目なのだろうか?
やはりもっと具体的に言ったほうがいいのかな。
ぼんやりとそんなことを考えながら、古い校舎の裏沿いを部室棟へ歩き出した。