魂、いただきます
 そして、そしてそれは突然起こった。

 ぐらりと地が揺れた。

 宮乃は最初なにがなんだか判らなかった。

 本震の揺れが激しく襲ってからそれが地震だと理解した。

 長く激しい揺れの中、あちこちで悲鳴が上がる。

 そんな中、宮乃はバランスを崩してよろけた。

「危ないっ!」

 背後からサトシの声が掛り、タックルの要領で抱き着かれ、伸し掛かり、つんのめるようにして倒れ、受け身もままならず地面が迫り、ガツンと火花が散ったような気がして暗転、宮乃の意識はそこで跡切れた。
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