魂、いただきます
 サトシは集中治療室から一般病室に移っていた。

 二人部屋を一人で使っている。

 自分は六人部屋なのに……と思いながらそっと扉を開いて中に滑り込んだ。

 入った瞬間に、どきっとした。

 ベッドの周りに沢山の機械が設置されて、ベッドのサトシを取り囲んでいた。

 機械から伸びたチューブやコードがサトシの身体に接続されていて、まるでサトシもその機械群の一部のようだった。

 呼吸器の音がサトシが生きていることを告げていた。

 いつの間にか流れ出した涙が止まらず、頬を濡らす。

 機械に囲まれ、静かに眠っているようなサトシの姿が歪む。

「あ、あれ?おかしいな、なんで?」

「おやおや、誰かと思えば。そんなに泣いているとせっかくのお顔が台無しですよ」

「えっ?」

 突然声を掛けられ、宮乃は右腕で涙を拭って声の主を確認した。
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