魂、いただきます
 楽しむ?

 そうだ。自分が望んだことだから、楽しみにしてなきゃおかしい。

 しかし、宮乃はとてもそんな気になれなかった。

 昼間、あんなことを言われたから?違う!

 自分を守るために犠牲になったから?違う!

 彼も自殺しようとしていたから?違う!

 違う違う違う!そんなことじゃない。

 宮乃は心の中で叫んだ。

 そんなんじゃない。

 あたしが自殺したのも、悪魔と契約を交わしたのも、そして……彼への復讐を願ったのも、全て彼が好きだから、あたしだけが独占したいから、されたいから、そして、愛しているから。

 そう、今やっと判った。宮乃は、自分が彼を愛しているのを、それゆえに互いの死を恐れる自分を、そして、本当の願いが……
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