月魄の罪歌
しかし、花の中でに語りかけ、なおかつその予知を教えて貰うには、相当の魔力が必要で、いくら花の魔人だからと言っても、誰でも出来る訳ではない。
「……なるほど。それは知らなかった。流石は「花の魔人・黒鉄」だ」
紅蘭は、近くにあった月下美人を一つ手折ると、クロガネの髪にそっとさした。
「……バカにしてますよね?」
「いいや。ただ単に誉めただけだよ」
くすくすと笑う紅蘭。
あえて反論はしない。
何故なら、この人は。クロガネは、アオギリ様だったら負けませんのに…、と思うだけに留めておいた。