今すぐぎゅってして!

こういう時、
助けてくれる彼氏とかいたらなぁ…



──────
────
──


『なんだ、やっぱり届かないのかよ。ほんとチビ。クッ…しょうがねーなぁ、萌愛は』


『萌愛、ずっと一緒にいような』









「………もしかして、見えねーのか?」


「っ」

後ろから低い声がして、はっと我に返った。


いけないいけない!
もうあの人のことは考えちゃだめだ。

忘れなきゃ…



…ていうか今の声、私に話しかけてた?


くるっと声のした方を向く。



………ん?お腹??



「……おい」

さっきの声は上から聞こえた。

ふっと上を向くと、そこには無愛想でちょっと怖そうな男の子の顔があった。


…背でかっ!

なに、この人。私に話しかけてるの?



「……クラス表、見えねーのか?」

背が高い彼は私を見下ろして言った。


「え、私ですか?」


「…どう見てもお前しかいねーだろ」


…この人、絶対私のこと馬鹿にしてる。


「み、見えますから!」


「ふーん。じゃあ、お前何組なんだ?」


「……っ」

意地悪っ!!


「やっぱ見えねーんじゃん」


「ま、まだ見つけてないからわかんないだけです!」


「ふーん」

ニヤニヤと意地悪そうに笑う彼。


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