今すぐぎゅってして!


悔しい悔しい悔しいぃぃ~!


絶対に自分の力で見てやる!!


とりあえず、人の間を掻き分けて
前へ行こうと試みる。

「す、すいません。通して下さ~い…」


すると

──ドン!

後ろから女の子二人が押しかけてきた。


「きゃっ!」

ドサッと後ろに倒れてしまった。


「あ!うち、六組だ!千絵はー!?」

「きゃー!うちも一緒だー!!」

私を突き飛ばしたのも気付かず、騒ぐ二人。


…ムカつくけど、
チビはどう頑張っても無理なんだ…


そう落ち込んでいたら、さっきの意地悪な彼はぐいっと私の腕を引っ張り起こしてくれた。


「大丈夫か?」


「あ、ありがと…」


優しいな、なんて思っていたら、彼は方向をくるっと私を突き飛ばした女の子たちに向けた。


「おい、お前ら。今こいつのこと突き飛ばしただろ。謝れよ」


「え~?うちらそんなことやってないし~」


「やっただろ。俺は見たぞ」

彼はギロッと睨んだ。


すると女の子たちはビクッと脅えた。


「わ、わかったよ~…」

「ごめんね~」

と、私に謝ってきた。


「い、いえ…」


そしてそのままパタパタと逃げて行った。


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