今すぐぎゅってして!

うわー、うわー…

さっきまで私をいじめて(?)きた人が助けてくれた。

この人、意地悪だけど本気は優しいんだ。



…なんてドキドキしていたのも束の間。


彼は私を見下ろしてこう言った。

「チビだと世の中大変だな」


「………へ?」

急に言われたもんだから、私の頭は混乱状態。

今この人、私のこと馬鹿にした?
すっっっごく見下した?

助けてくれた彼が、また意地悪に戻った。

チビなんて言われ慣れてるけど…ムカつく!


「うるさい!馬鹿ぁ!!」

言ってやった!


だけど彼は私の反応を見て顔色一つ変えずにクラス表に目をやった。

「おいチビ、名前は?」


「またチビって言った!…鈴木萌愛、だよ」


「えーっと。あ、お前三組だよ。」


三組か。
まぁ別に、知り合いいないし何組でもいいんだけどね。



「うわ、俺ら同じクラスじゃん」


「え!?嘘だ!!」


「嘘じゃねーよ。見てみろ。あ、小さいから見えないか」


むきーっ!!
どこまで意地悪なのこいつ!
(もうこいつ扱い)


「ま、一年間よろしく」

そう言って彼は校内に入って行った。


「…最悪」

あんな奴と同じクラスなんて…


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