今すぐぎゅってして!
「はぁ…」
教室までの階段を重い足取りで上る。
…こんなんでいたら恋は愚か、友達すらできないよね。
クラス全員があいつみたいな性格じゃないだろうし、頑張ろ!
待ってて、私の華のハイスクールライフ!!
ガラッ!
勢いよくドアを開けた
…けど、そんな勢いはすぐになくなってしまった。
うぅ…。もうほとんどの人がグループで固まってる…
と、とりあえず自分の席周辺の人に話しかけよう。
えっと、私の席は…あそこか。
と、教室の入り口で悶々している私。
後ろにいる人の存在なんて全く気づいていなかった。
何て話しかけよう…
でもあんまり考えて話すのって、不自然だよね。
よ、よーし!頑張れ、私!
「おいチビ、入り口で突っ立ってんじゃねーよ。邪魔」
「ひえぇぇぇ!?」
急に後ろから声をかけられた。
…いや、正しくは上から。
振り向くと、そこにはあいつがいた。
「い、いきなり話しかけないでよ!びっくりしたじゃん!!」
「どかねーお前が悪いんだよ」
奴はつーんとした顔で私の横を通り過ぎ、自分の席に鞄を置いた。
……ん?
そこの席って…もしかして…
「…隣の席…?」
「あ?誰と誰が?」
「私と……あんたが」
「うわ、まじかよ。チビと隣かよ」
…最悪。
ほんと、最悪ーっ!!