わがまま王子様とパン焼き少女
でも看板をしまわなきゃ。


勇気を出して、少しドアを開けた。



隙間から見えるのは、黒いマントを着た、男がいる。


なんか……本当に殺し屋みたい………。



呼吸を落ち着かせ、恐る恐る、その男に話し掛けた。


『あの……もう…閉店なんですが………』



黒いマントの男が私を見る。マントで顔がよく見えない。



顔が見えないのに、なんだか睨んでそう………。



怖い………。



『あの……すいません!』


すると男は私に近寄ってきた。



殺されるっ!!

ああ……。幸せな日々。

さようなら。




目をギュッと閉じた。




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