わがまま王子様とパン焼き少女
『うるさぁい!じゃ……弱点じゃないし!』



「んじゃあ、もう一回!」

ラグナスが私の耳元に唇を近づける。



見る見る私の耳が真っ赤になる。耳に息が掛かる度に我慢できなくなる。



駄目だ……。耳は無理。



『や……やめ…て…?』


「あれ?強気な姫はどこに行ったんだ?」



『本当にやめて。弱点だから!』



もういいや。弱点でいいから、それ以上、耳に近づかないでー!





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