わがまま王子様とパン焼き少女
帰り道がわからない……。

笛の音を頼りにここまで来たからどうやってきたのかわかんなーい……。

なんていう失態を………。


ラグナスはまだ近くにいる。今なら間に合う………。


し……仕方ないんだもん!別に私がラグナスと一緒にいたいってことじゃないんだから!


仕方ないんだから………。


『ちょっと!ラグナスっ!待ちなさいよぉ!!』



眩い朝日に照らされながらラグナスを追い掛ける。


無意識に笑みが零れる。まだこの感情は何かだなんてわかんなくていい。

今が幸せって思えるのなら…………。




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