わがまま王子様とパン焼き少女
私がこのまま引き下がると思うか?ラグナスよ……。

『居候なんかに店を任せて私がこんな所で寝てらんないし!』


「寝てろよ……。パンなら俺に任せておけよ!案外、俺は器用だから」


私に向けられたラグナスの笑顔が私の気持ちを綺麗さっぱり消されてしまう………。


あんな笑顔を見せられたら否定できないよ。

でもね?私、素直じゃないから。


もう自分の限界は越えているのはわかってる。


でもラグナスの親切を受け取ってばかりじゃいられないから。



『私をそんな甘く見られたら困るんだけど!ラグナスだけに任せてられるわけないじゃん!』


私は勢い良く飛び起きてラグナスの下に向かった。




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