わがまま王子様とパン焼き少女
眠っていると、急に息ができなくなった。


く………苦しい。



目を開けると、私の目の前にあの黒いマントの男がいた。



しかも私にキスしてるし!

男の唇が離れた。


男は私を見下ろしている。


『な……な…なにしてんですか!』


突然の出来事に冷静になれない私………。


そんな私に返ってきた言葉は………。



「キスだけど?」

ふ……ふざけんなぁ!




顔が赤くなると同時に怒りが込み上げてきた。




『私のファーストキスを!善くも!』



ベッドから起き上がろうとした瞬間。



男が私を押し倒してきた。


『ちょ……とぉ!…』





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