魔女な彼女の恋語
「…私は………魔女よ」
「……は…っ!?魔女って…あの魔女か!?」
あの魔女?
松希、私以外に魔女、会ったことあるの?
「いや、あるわけねぇけど…。ほ、ホントなのか?魔女って童話とかそんなんに出てくる…」
あぁ。
そっか。
ここでは、ううん、世界では私たちなんて夢なんだものね…。
「そう、私は魔女。あなた達からしてみれば私は絶対に〝存在〟しないもの。幻想や物語の中でしか有り得ない〝存在〟。けれど、魔法は存在するの。魔法使いも魔女もいる。でも、人間はそういうものを信じようとしないから…だから私たちは〝幻想〟になってしまったの」
こんなこと言ったって信じてもらえるわけがないけれど。
でもあなたには信じてもらいたい。
信じてほしい。
…なんで…なのかな。
変なの…。
こんな気持ち…。