魔女な彼女の恋語
No.3 心配
でも、とりあえず、質問よりも先に傷の手当ての方が先ね。
松希の様子じゃあ歩けそうもないし。
…よし。
私の家まで飛ぶか。
その提案に松希は目を見開いていた。
ありえねーとかマジかよとかつぶやきながらも私と一緒に箒にまたがる。
そんなにスピード出さないし、怖くなんかないのに。
人に見えないように魔法かけるし。
どんどん高度を上げる。
でも松希は下ばかり見たまま。
そんなとこ見たってつまんないだけなのに。
「ねぇ、松希」
「な、なんだよ?」
「どう?空、キレイでしょ?」
私の質問にようやく周りを見渡した松希。
今まで険しかった表情がふっと和らぐ。
「…あぁ。すげーキレイだ」
「よかった」
束の間の空中遊泳を終え、私の住む柑橘荘に到着。
松希を部屋に招き入れる。