魔女な彼女の恋語

┗No.5.9 偽物








「結局のところ…未来は何も変わっとらん。イブがあの少年に出逢おうと出逢わまいと。
…なぜじゃ?なぜお主はイブに嘘の未来など視せたのじゃ?」



「最近、結界が綻んできてましたからね。〝大魔女〟(マザーウィッチ)にはあの時計を守ってもらわねば。
それに…興味があるでしょう、最長老であるあなたも。我が姉…〝大魔女〟が自分の子をどうするのか」



「自分の姉ですら駒にする気か…!?…ウィル」



「駒?何をおっしゃるのです?全ては未来の為ではないですか最長老。こんな偽物の未来に情が移ったのですか?」



「………偽物…か」



「しっかりして下さいよ最長老。では私は任務に戻ります」







その言葉を残し、ウィルは暗闇に消え去っていった。









「確かに…偽物なのかもしれん。じゃが、どちらの未来を選ぶかは、あの子たち次第なんじゃよ。ウィル」






お主がどれだけ尽力を尽くしても。





選ぶのは、お主ではないのじゃから…――。







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