《短編》猫とチョコ
プロローグ
『…ごめん。
俺、好きな女以外、そーゆーの受け取らねぇから。』


みぃの声があたしを突き刺した。


崩れ落ちていくようにあたしは、体中の力が抜けていくのを感じる。


無意識のうちに握り締めたチョコのラッピングが、クシャッと音を立てる。


ただ、これ以上その場には居られなかった。


きびすを返しあたしは、逃げるように教室に向かった。










< 1 / 65 >

この作品をシェア

pagetop