《短編》猫とチョコ
『―――ヒナ!
この日、何があるか知ってる?』
笑顔でサクラは、自分の手帳の赤い丸をつけた日を指差して聞いてきた。
考えを巡らせてはみたが、何の日だかわかんない。
『…知らないの?
この日、お祭りの日じゃん♪』
「…お祭り?」
そういえばとあたしは、記憶を辿った。
毎年夏休みに入ってからすぐの土曜に、地元の神社でお祭りがあるんだ。
規模は大きくないけど、地元では有名だ。
『そう!
でね?ヒナに頼みがあって~。』
「…頼みって、まさか…」
嫌な予感しかしなかった。
『お願い!!
みんなで一緒に行こうよ!!』
やっぱりだ。
“みんな”ってのは、あたしとサクラ、それに春本くんとみぃのことだろう。
いくら学校では仲が良くても、休日まで一緒に集まるほどの関係ではなかった。
何より、彼氏が居るのに友達とお祭り?
しかもあたしは、必然的にみぃとペアにならなきゃだし。
「…う~ん…」
曖昧な返事しか返せない。
確かにサクラを応援したい気持ちはあるけど。
ぶっちゃけ、お祭りは彼氏と行きたいし。
「…まだ先だし、考えとくね。」
そう言って、言葉を濁した。
ちょっと悲しそうな顔のサクラに、罪悪感が生まれるけど。
「でも、ホラ!
みんなの予定もさりげなく聞かなきゃだし?」
『…だよねぇ。』
ハァとサクラは、深いため息。
この日、何があるか知ってる?』
笑顔でサクラは、自分の手帳の赤い丸をつけた日を指差して聞いてきた。
考えを巡らせてはみたが、何の日だかわかんない。
『…知らないの?
この日、お祭りの日じゃん♪』
「…お祭り?」
そういえばとあたしは、記憶を辿った。
毎年夏休みに入ってからすぐの土曜に、地元の神社でお祭りがあるんだ。
規模は大きくないけど、地元では有名だ。
『そう!
でね?ヒナに頼みがあって~。』
「…頼みって、まさか…」
嫌な予感しかしなかった。
『お願い!!
みんなで一緒に行こうよ!!』
やっぱりだ。
“みんな”ってのは、あたしとサクラ、それに春本くんとみぃのことだろう。
いくら学校では仲が良くても、休日まで一緒に集まるほどの関係ではなかった。
何より、彼氏が居るのに友達とお祭り?
しかもあたしは、必然的にみぃとペアにならなきゃだし。
「…う~ん…」
曖昧な返事しか返せない。
確かにサクラを応援したい気持ちはあるけど。
ぶっちゃけ、お祭りは彼氏と行きたいし。
「…まだ先だし、考えとくね。」
そう言って、言葉を濁した。
ちょっと悲しそうな顔のサクラに、罪悪感が生まれるけど。
「でも、ホラ!
みんなの予定もさりげなく聞かなきゃだし?」
『…だよねぇ。』
ハァとサクラは、深いため息。