《短編》猫とチョコ
テストも何とか無事に終わり、すぐに夏休みに突入した。
これからは、少なくともストレスが減ることは確実だし。
何てったって、みぃと顔を合わせなくても良いんだから。
山場であるお祭りさえ乗り切れば、
あたしにも、そしてサクラにも薔薇色の日々が待っていることだろう。
考えるだけで、笑顔になってしまう。
終業式から一週間も経たないうちに、翌日は約束のお祭りの日となった。
やっと夏休みだって実感が出てきたのに。
だけどまぁ、前途は洋々なわけだし!
先にみんなと会って、みぃと一緒にはぐれた後、駅に戻って彼氏と待ち合わせ。
そんな計画も、バッチリだった。
♪~♪~♪
着信:コーちゃん
嬉しいことに、彼氏のことを考えていると本人から着信。
馬鹿みたいに浮かれてあたしは、通話ボタンを押した。
―ピッ
「もっしもし♪」
『…陽菜子。』
テンション高く出たあたしとはまるで正反対に、彼氏の声は低い。
“どしたの?”と不安に聞くと、少しの沈黙の後、彼氏はゆっくりと口を開いた。
『…別れよう。』
「―――ッ!」
何を言われてるのか、理解なんて出来なかった。
何かの冗談ではないのか。
だってこの前まで、明日を楽しみにしてたのに。
今朝送ったメールにだって、ちゃんと返信してくれたのに。
“冗談でしょ?”って言葉が出ない。
“本当だよ”って言われるのが怖いから。
血の気が引いて、上手く呼吸も出来なくて。
これからは、少なくともストレスが減ることは確実だし。
何てったって、みぃと顔を合わせなくても良いんだから。
山場であるお祭りさえ乗り切れば、
あたしにも、そしてサクラにも薔薇色の日々が待っていることだろう。
考えるだけで、笑顔になってしまう。
終業式から一週間も経たないうちに、翌日は約束のお祭りの日となった。
やっと夏休みだって実感が出てきたのに。
だけどまぁ、前途は洋々なわけだし!
先にみんなと会って、みぃと一緒にはぐれた後、駅に戻って彼氏と待ち合わせ。
そんな計画も、バッチリだった。
♪~♪~♪
着信:コーちゃん
嬉しいことに、彼氏のことを考えていると本人から着信。
馬鹿みたいに浮かれてあたしは、通話ボタンを押した。
―ピッ
「もっしもし♪」
『…陽菜子。』
テンション高く出たあたしとはまるで正反対に、彼氏の声は低い。
“どしたの?”と不安に聞くと、少しの沈黙の後、彼氏はゆっくりと口を開いた。
『…別れよう。』
「―――ッ!」
何を言われてるのか、理解なんて出来なかった。
何かの冗談ではないのか。
だってこの前まで、明日を楽しみにしてたのに。
今朝送ったメールにだって、ちゃんと返信してくれたのに。
“冗談でしょ?”って言葉が出ない。
“本当だよ”って言われるのが怖いから。
血の気が引いて、上手く呼吸も出来なくて。