《短編》猫とチョコ
文化祭
―――あれほど続けばと願っていた夏休みも終わり、

いつの間にかまた学校に行くことが当たり前になった日々。


新学期になってすぐに席替えが行われ、みぃとの席は離れた。


だけど夏休みのことがあって以来、何かと4人で行動することが増えていた。


もちろん、バカップルがいるので強制的にあたしとみぃはペアだけど。


みぃはみぃで、夏の暑さが和らいだ所為か、起きてる時間は結構増えていた。


本当に、単純なヤツ。




『―――文化祭の委員決めるぞ。
何にも委員会やってない男女一名ずつな。』


ある日突然に、担任の口から告げられた。


その対象には、もちろんあたしも入ってる。


あんなものになった日には、嫌が応にも忙しい日々を送らなくていけないのだ。


なるべく下を向き、小さくなって時が過ぎるのを待つあたし。



『男子、みぃくんで良くない?』


『だよなぁ!
休んでる瑞穂が悪いし!』


よっぽどやりたくないのか男子は、本日休みのみぃを指名。


当たり前に誰も異議を唱える人なんて居ないから、さっさと決定。



『…女子はどうするかなぁ。
やっぱ、クジか?』


本当に、クジの好きな担任らしい。


そして、さっさと決めてしまいたいらしい。


数分後、結構緊張しながらの結果発表。



『小柳な。』


あっけらかんとして、担任は告げた。



「あたし?!
無理!絶対嫌!!」


思わず立ち上がり、抗議の声を上げたけど。



『ヒナ、諦めな!(笑)』


嬉しそうな友人の笑い声に、あたしの声が虚しく消えた。


ショックのあまり、倒れそう。


しかも、相手があのみぃだなんて。


あたしが一人で頑張るの、決定じゃない。



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