《短編》猫とチョコ
「…みぃ。
アンタ休んでる間に、文化祭の委員になってるよ。」


『ハァ?!嘘だろ?!』


翌日何も知らずに登校したみぃに、あたしは悲しい現実を告げてあげた。


思わず口元を引き攣らせるみぃを少し不憫だと思いながらも、休んだ方が悪いと思う。



『…まぁ良いや。
適当に女子の委員に任せれば良いだろ。』



…何だと?



「…それって、あたしに喧嘩売ってんの?」


『えっ?!女子って、ヒナなの?
もしかして、俺のために立候補?』


その言葉に、殴りそうになる右手を理性で押さえた。


たまにみぃがこーゆーことを言うのは相変わらずで、

最近では天然なんだと諦めてるけど。



「…そんなわけないじゃん。
何であたしが好き好んで、あんなのに立候補しなきゃいけないの?!」


“クジでなったの!”と強調するあたしに、大爆笑のみぃ。



『ヒナってホント、クジ運悪いもんなぁ!』



その所為であたしは一学期、みぃの隣なんかになったんだ。


だから、みぃにだけは言われたくない。


ってゆーより、自分の現実をわかってない。



「…とにかく!
絶対サボらせないからね!」


腕を組んで睨むあたしに、みぃは目線を泳がせた。



『…何すんの?』


「みんなの意見まとめて、委員会にも出席して。
あとはわかんないけど、雑務押し付けられるの!」


“だから、あたし一人じゃ無理!”と付け加えた。


今回ばかりは、みぃも逃げられないのだろう。



『…頑張りまーす…』


全くもって頑張る気のない返事を返してくれた。


こんなんで、やっていけるのか。



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