《短編》猫とチョコ
関係なんて、簡単に壊れてしまう。
あれほどいつも一緒に居たはずなのに、あたし達の間に溝が出来たのだ。
同じ教室に居ても、避けるようになったあたしに、みぃも近づこうとはしなかった。
付き合ってるわけじゃないから、許すも許さないもない。
いつの間にか空いてしまったあたしの右隣に、冬が近い風が吹く。
その度に、埋めることの出来ない寂しさが増す。
あれほどせわしなく文化祭のために頑張っていた頃は、
季節を感じる余裕さえなかったのに。
なのに今は、日を追うごとにひしひしと寒さが伝わるのがわかる。
『…ホントに喧嘩じゃないの?』
いい加減、何度同じことを聞かれ、その度に同じ言葉を返しただろう。
「そんなんじゃない。」
初めはそれでも“じゃあ、何で?”と聞いていたサクラも、
今ではため息を混じらせながら、何も言わなくなっていた。
『…あたし実は、ヒナに言ってないことあったんだ。』
突然サクラは、いつもとは違う言葉を返してきた。
その言葉に、あたしに疑問が広がる。
『…みぃくんって、ヒナのこと好きなんじゃないの?』
「―――ッ!」
何を言い出したのかと思えば。
みぃがあたしを好きだなんて、そんなはずない。
『…実は、ヒナが呼び出されたあの時ね?
みぃくんがヒナ探してたの。
だからあたし、呼び出されたこと言ったら、みぃくんイキナリ教室飛び出して。』
「―――ッ!」
初めて聞かされた言葉に、あたしは戸惑いを隠せなかった。
“面白そうだからついでに見に来たのに、違ってて残念”
だけど、みぃが言ったんだ。
その言葉が真実なだけ。
思い出すたびに悔しくて、そしていつも悲しくなる。
何も言わないあたしに、サクラは言葉を続ける。
あれほどいつも一緒に居たはずなのに、あたし達の間に溝が出来たのだ。
同じ教室に居ても、避けるようになったあたしに、みぃも近づこうとはしなかった。
付き合ってるわけじゃないから、許すも許さないもない。
いつの間にか空いてしまったあたしの右隣に、冬が近い風が吹く。
その度に、埋めることの出来ない寂しさが増す。
あれほどせわしなく文化祭のために頑張っていた頃は、
季節を感じる余裕さえなかったのに。
なのに今は、日を追うごとにひしひしと寒さが伝わるのがわかる。
『…ホントに喧嘩じゃないの?』
いい加減、何度同じことを聞かれ、その度に同じ言葉を返しただろう。
「そんなんじゃない。」
初めはそれでも“じゃあ、何で?”と聞いていたサクラも、
今ではため息を混じらせながら、何も言わなくなっていた。
『…あたし実は、ヒナに言ってないことあったんだ。』
突然サクラは、いつもとは違う言葉を返してきた。
その言葉に、あたしに疑問が広がる。
『…みぃくんって、ヒナのこと好きなんじゃないの?』
「―――ッ!」
何を言い出したのかと思えば。
みぃがあたしを好きだなんて、そんなはずない。
『…実は、ヒナが呼び出されたあの時ね?
みぃくんがヒナ探してたの。
だからあたし、呼び出されたこと言ったら、みぃくんイキナリ教室飛び出して。』
「―――ッ!」
初めて聞かされた言葉に、あたしは戸惑いを隠せなかった。
“面白そうだからついでに見に来たのに、違ってて残念”
だけど、みぃが言ったんだ。
その言葉が真実なだけ。
思い出すたびに悔しくて、そしていつも悲しくなる。
何も言わないあたしに、サクラは言葉を続ける。