初彼=偽彼氏


 みんなに手を振って、呼び出した人のところに行く前に呼び出しを教えてくれた瑞穂にお礼を言い。


 それからすぐにドアを覗き、あたしを探してるっぽい人を探した。
 …けれど。大体まず顔もわからないのに探すほうが無謀―…、とにかく廊下に出るべきと思って廊下を出た時―…


「――…おい」


 急に後ろにいる人に声をかけられて……体がビクッと震えた。
 そのまま声がした方へ恐る恐る振り返ると―…

 初めて見た顔の男の人が立っていた。

 ――わ……
超かっこいい――…。綺麗な顔……。うちの学校にこんな整ってる綺麗な顔の人いたっけ?


「あの…あなた誰?」

とりあえず、勇気を振り絞り声をかけた―…


「オレ、さっきからあんたのこと見てたんだけど、いくらなんでも気付かなすぎじゃね?」


「…あの?聞いてます?」


 ……なんかこの人のペースに巻き込まれてる気がする……



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